人それぞれ体に匂いがある様に、口の中にも匂いがあり「呼吸や会話をした時に口から出てくる息が、他人にとって不快に感じられるもの」です。他の病気と異なり、口臭は人間関係に影響する非常にデリケートな問題です。 正常な臭いの場合、生理的口臭と言いますが病気やその他の原因で他人を不快な気持ちにさせてしまう場合があります。 嗅覚には同じ臭いを長時間嗅いでいると、その臭いに慣れてしまうという順応反応があるため、自分の口臭は自分ではなかなか気づきにくいものです。口臭の原因や治療法をよく知り、さわやかな息を維持しましょう。 これは、口の中の嫌気性細菌が、新陳代謝ではがれた粘膜の上皮や血球の成分などを分解してできるガスで、主に硫化水素・メチルメルカプタン・ジメチルサルファイドという3種類のガスからなります。それぞれ特有の臭いがありますが、口臭はこれらのガスが混合したものなので、非常に不快な臭いとなります。 生理的口臭
生理的口臭とは、口や体などのどこにも疾患(病気)が無いのに、人の生理現象として自然に発生する口臭です。その主な原因は、口内の細菌による腐敗作用や酵素の反応です。生理的口臭には強弱があるにせよ、人は全員持っているものです。生理的口臭が、口臭の中で一番多い原因です。 生理的口臭は起床直後・空腹時・緊張時は特に強まります。これは唾液の分泌が減少し、細菌が増殖して口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物(VSC)がたくさん作られるためです。しかし、歯みがきで細菌やVSCが減少し、食事をしたり会話をすることで唾液量が増加すれば急激に口臭は弱まります。したがって治療の必要がありません。治療が必要の無い生理的口臭の場合は、その時その時のケアで、臭いは抑えることができます。 まず、生理的口臭が起きやすい時間を知ることが大切です。寝起きの口臭は、寝ているときに原因が発生しています。この場合は、寝る前と起きたきの歯磨き、水分補給などで改善できます。 また、空腹時の口臭でも、同じことが言えます。空腹時に、出る口臭を抑えるために、水分補給をしっかりとしましょう。他にはお菓子を食べて、唾液の分泌を促進するのも良い方法です。緊張やストレスからくる口臭の場合は、予測できない場合がありますが、自分が緊張しやすい・ストレスを溜めやすいとわかっていれば、ガムを噛んだり、水分補給をするなどの対策を練ることができるでしょう。生理的口臭は、唾液の分泌量の調節や、唾液の代わりとなる水分の補給をすることで、口臭を抑えることができるので、唾液を出そう!水分を摂ろう!などの知識を持っていれば、さほど、問題は無いでしょう。 病的口臭
病的口臭とは、病気が原因でおこる口臭のことをいいます。病的口臭の中で一番多いのが、虫歯・歯周病・舌苔・ドライマウス(口腔乾燥症)・口腔癌などの口腔内にみられる病気です。その他には、胃腸病・肝臓病・糖尿病、呼吸器系の病気・耳鼻咽喉疾患でも口臭の原因となります。病的口臭は、口臭の原因となる病気がわかれば、その病気を治すことにより口臭は改善できますが、生理的口臭と違い24時間臭っているものなので、本人がその臭いに慣れてしまい口臭に気付かない場合もあるので気をつけましょう。
外因的口臭
外因的口臭は食べ物やアルコール・タバコなどが原因で起こる口臭です。臭いの強い食べ物が原因で起こるのも口臭の特徴の一つで、ニンニク・ニラ・ネギ・ラッキョウ・タクアンや納豆などを食した後は、口臭が酷くなることがあります。これらの対策として牛乳があります。牛乳に含まれるたんぱく質は、胃の中で、ニンニクなどの臭いの元を包む作用があります。 お酒やタバコなどが原因で口臭になる場合は、口の中の臭いだけではありません。 一度体内に取り込まれた臭いの元が胃で消化されて、 血中に混入して体内を循環して肺から吐き出されることによって発生します。長期的に摂取を続けると身体の中に取り込まれた臭いのもとが溜まり、禁酒・禁煙をしてもすぐに解消されない場合があります。またタバコには「ニコチン」という成分が含まれており、これが歯肉の酸素不足を引き起こします。すると、酸素が嫌いな歯周病菌が繁殖し歯周病を進行させてしまう恐れがあります。ニコチンの他にもタールなどの「一酸化炭素」という成分も含まれており、これらは口内の細菌を殺菌してくれる唾液の分泌を抑えたり、歯垢を歯につきやすくしたりと、何かと口臭に悪影響を与えます。 内因的口臭
口臭を気にして、歯科医院に来院される方の中には自分に口臭があると思い込んでしまう「自臭症」という場合があります。これは、口臭に関して神経質になりすぎていたり、周りから口臭を指摘されたことを 気にしすぎたりして起こるものです。このような人は口臭に対する正しい知識を身に着けて、口臭への恐怖心をなくすことが大切になります。 口臭は誰にでもあるものであり、普段から口臭が気にならない人でも、状態によっては一時的に口臭が強くなる場合があります。 朝起きた時、臭いの強いものを食べた時、疲れ・体調不良の時、ストレスを感じている時、緊張している時等に指摘されて自臭症となる場合も多くあります。 口臭治療は、口臭発生の原因を明らかにし、それに対する適切な処置を行っていく事が基本となります。生理的口臭の場合には、口腔内清掃指導や生活習慣の指導を行います。患者様が歯・舌・入れ歯などを上手く磨く事が出来るように、歯科医師や歯科衛生士が助言をします。 病気が原因で発生している口臭の場合は、その病気に対する治療を優先して行います。歯や口の病気だけでなく、身体の病気も口臭発生に関与している場合、口臭検査を行っただけで、身体の病気がすぐに判明するわけではありません。 専用の問診票に必要事項を記入いただいた上で、今までの口臭に関するお悩みをお伺いします。例えばいつから、どの様に気付いたか、思い当たる原因、現在までに口臭予防に取り組んできた履歴、専門外来の受診履歴、生活習慣、全身疾患の罹患状況、治療に際して、ご要望、配慮してもらいたい事などを、担当医と担当カウンセラーが詳しくお伺いいたします。 デジタルレントゲン撮影の上、お口の中を拝見し、より詳しい検査が必要な患者様には精密検査をご提案いたします。 【精密検査】 @ 口腔内写真
お口の中の全体の細かい写真を撮り、虫歯・歯周病の状態をチェックします。 A 歯周組織と歯周病の検査
お口の中を拝見し、虫歯の有無や、歯周ポケットの深さ・歯の動揺度などを検査いたします。 B 口腔内細菌検査
位相差顕微鏡により、口腔内細菌の状態を確認します。 C 口臭測定
口臭測定器(ブレストロン)で、呼気内の硫黄化合物の数値を測定します。 ※ブレストロンとは…※
D CT撮影
お口の中を3次元的に断層撮影することで、歯を支える骨の吸収度を適正に把握し、治療計画に役立てます。 口臭の原因が歯科領域の問題であれば、治療を開始いたします。虫歯の治療・歯周病の治療と、定期的なプロフェッショナルケア、ご家庭でのセルフケアの指導など総合的にお口の環境を整えていきます。 @ 正しいブラッシングを行う
口臭の元となる口腔内の細菌をできるだけ少なくすることが重要です。そのためにも正しい歯磨き方法を身に付けて頂き、ご自宅でのケアがより効果的になるように、ブラシのあてる位置、動かし方、力加減等、お口に合った歯ブラシを用いて磨く練習をさせて頂きます。 また、一日の中で一番細菌が多いのは起床時です。それは、睡眠中に唾液分泌機能が低下し、細菌が繁殖しやすい状況になるからです。そのため、起床時は口腔内の細菌が日常の30倍にもなるといわれています。寝る前にしっかり歯磨きを行い、できるだけ細菌を取り除き、睡眠中の細菌の繁殖を抑える事が重要です。 A 歯間ブラシを使う
口臭予防には複雑な形をした歯の隅々まで徹底的に汚れを落とさなければなりません。歯ブラシだけで落としきれない歯と歯の間の隙間の汚れは歯間ブラシを使用して落としていきます。合わないサイズの歯間ブラシの使用や、誤った使用法は歯肉を傷つける原因になりますので、使用方法を練習させて頂きます。 B 舌苔を除去する
舌の表面に白色または黄褐色、または黒色の苔(こけ)状に見えるものが舌苔です。舌苔は舌の表面に食べ物の残りカスや細菌、舌の剥がれた上皮細胞が付着しているものです。舌苔の中には細菌が多く存在しているので、放置すると口臭の原因になります。舌の上も専用のブラシを使用して清掃していただくことが必要です。しかし、舌苔をいざ除去しようとして間違った方法で取ってしまうと、逆に舌を痛めたりしてしまいます。また、舌苔を取り過ぎてしまうと、逆効果として口臭がひどくなってしまう場合がありますので、正しいケアをしていくことが必要です。 C タバコを減煙,最終的に禁煙する
ニコチンと、様々な有害物質の複合物であるタールが含まれるタバコを吸うことで、口臭は悪臭の強いものとなります。また、喫煙によってどうしても口呼吸になり、口腔内乾燥が助長されます。さらに、ヘビースモーカーの場合、たとえ口呼吸を是正したとしても喫煙による口呼吸が残るため、口臭が解決しないことになります。タバコに含まれるニコチンやタールによる場合はタバコをやめてしばらくすると、体から抜けて臭いもなくなります。まずは本数を減らし、どうしても禁煙出来ない場合は、禁煙外来の受診をご提案させていただく場合もございます。 D 呼吸法を正しくする、口呼吸しない
口で呼吸をしていると、唾液の分泌量が減って、口の中が乾燥しがちになります。口の中には数え切れないほどの細菌がおり、口臭の原因にもなっています。口呼吸のせいで唾液が少なくなると、唾液に含まれる免疫成分がなくなるため、口腔内の抵抗力も落ちてしまいます。口臭の原因になる舌苔が増えたり、口臭ばかりではなく、口内炎などもできやすくなります。 E 入れ歯をきれいに洗う
入れ歯にも歯と同じように歯垢がつきますので、歯と同じように清掃して頂かないといけません。就寝前は外した入れ歯をブラシで洗ったあと、洗浄剤を入れた容器に一晩浸しておきましょう。入れ歯の正しいお手入れは口臭予防につながります。 F 唾液の分泌を促す
意外に思われるかもしれませんが、口臭と唾液は非常に関連しています。唾液は浄化作用や抗菌作用があります。口臭の原因は口腔内の細菌増加が主要因にるため、唾液が分泌しているときは臭いの発生が抑制されます。例えば、食後は唾液が十分に口腔内を潤しているので、臭いが強い食品を食べたのでなければ、通常は口臭が少なくなります。口臭の予防・対策、口臭の効果的なケアに唾液分泌は極めて重要です。口腔乾燥に効く唾液分泌訓練法や、お家でもできる唾液線マッサージを身につけて頂きます。 G 定期的なクリーニング
スウェーデン、フィンランド、アメリカなど、予防先進国といわれる国々では、定期検診率が80〜90%と言われています。 それに伴い、予防先進国に比べて、日本では高齢者になるほど歯が残っている本数(残存歯数)が少なくなっています。虫歯治療にせよ歯周病治療にせよ、治療が終わったからといっても安心はできません。歯に付く歯垢や歯石については、歯の病気はもとより、口臭の原因にもなりますが、自分できれいに取るのは困難です。しかも、歯周病や虫歯になると、強い口臭の原因になります。 この、歯の問題を解決するためには、定期的に歯科検診を行い、歯石の除去などの歯のメンテナンスを行うしかありません。患者様の口腔状態によって、期間や内容は変わりますが、3〜4ヶ月に1回位は、歯科医院で定期検診を受けることをお勧めいたします。 H 補助用具を使う
口臭の一時的な除去方法として、臭いを覆い隠す(マスキング)効果と飲食物の改善があります。
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| アクセス・診療時間 | 医院理念 | 診療方針 | 医院紹介 | 院長・スタッフ紹介 | 診療案内 | | Chew Chew Club | 無料メール相談 | ご予約 | 求人情報 | お知らせ | サイトマップ | ●大阪府 歯科 ●大阪府 矯正歯科 ●大阪府 外科矯正 |
|